対処すべき課題

当社グループを取り巻く環境は、国内市場では2020年に開催予定であった東京オリンピック・パラリンピックに向けた建設投資に伴い、好調な環境が続いておりましたが、2021年3月期は、需要の踊り場を迎える見込みであります。
海外では、主にアジアの経済成長を背景に建設需要の拡大が見込まれ、国や地域によって差はあるものの、市場全体としての成長が期待される状況が続くと考えております。
国内においては、建設需要が踊り場を迎えることに加え、低価格化の進行や人件費の上昇が想定され、海外では、英国のEU離脱等の地政学的リスクによる影響が考えられます。
また、サプライチェーンがグローバルに展開されていることから、為替の急激な変動、米国における保護主義の進行、米中の貿易摩擦等、世界的な原材料調達コストの上昇が懸念される等の経営環境にあります。
さらに、新型コロナウイルス感染症拡大防止を目的とした経済活動抑止が、企業各社の業績悪化を招き、企業のコスト削減による設備投資抑制に繋がることが想定され、今後の需要は厳しい環境に変化していくことも見込まれます。

  • 国内事業の収益基盤強化

    2020年3月期では、国内事業の収益基盤強化の両輪として位置づけているリニューアルとメンテナンスは順調に基盤を固めることができ、旺盛な新築需要も効率的に取り込むことができましたが、経営環境の変化に対応するため、「営業マネジメント機能」「エンジニアリング機能」「組織力・個人力」の強化を図ることにより、収益確保に努めております。併せてITツールを活用した施工現場の効率化を推進し、収益性を高める取り組みを進めております。

  • 海外事業の着実な伸長

    2020年3月期は、市場投入が遅れていたUL規格(米国)の中・大規模向け戦略商品の販売を開始し、着実に販売実績を計上しているものの、新たなルートへの営業活動の浸透に時間を要しております。
    海外市場は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、地域による経済環境の違いはあるものの、当社にとって成長市場であるという位置づけは変わりません。そのため、事業拡大に必要な基盤である、研究開発計画の確実な実行と品質管理の強化を早急かつ着実に進め、戦略商品を中・大規模市場に拡販していくために必要な営業活動を推進しております。

  • 新たな付加価値製品の開発

    将来の環境変化を見据え、従来の発想にとらわれない付加価値をお客様に提供することを目的とした製品開発及び開発に向けたマーケティングを加速してまいります。また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により求められる新しい生活様式によって顕在化する可能性のあるビジネスチャンスをとらえた付加価値提案型のマーケティング活動を推進しております。

  • 経営基盤の強化

    当社グループの持続的な成長を図るため、人材ポートフォリオに基づき成長意欲のある従業員が活躍できる人材育成体系を再構築しております。また、新型コロナウイルス感染症と共生することを想定して働き方を再定義し、多様な働き方と生産性向上を推進することで、労働基準法改正による新たな環境で当社が持続的に成長できる基盤を確立してまいります。
    モノづくりにおいては、将来に向けた基礎研究や要素技術開発に継続的に投資し、中長期的な視点で「モノづくり力」を高めます。特に世界的な部品調達コスト増により、製造コストは増加傾向となっております。この環境は継続することが見通され、大きな変化は想定しづらいことから、当社の事業特性に付随する少量・多品種生産における生産効率化に向けた取り組みを推進してまいります。
    また、資本効率を意識した最適なポートフォリオを追求すると同時に、財務の健全性の維持・向上に努め、経営基盤の強化を図ってまいります。